実はこれ、老化が一気に進む「入り口のサイン」かもしれません。
今回は、口腔機能と全身の健康をつなぐ最新の知識をわかりやすくご紹介します。
日本人の「健康でいられる期間」はどれくらい?
日本は世界トップクラスの長寿国ですが、「長生き=ずっと健康」ではありません。亡くなるまでの間には「日常的に介護が必要な期間」があり、これが思った以上に長いのが現実です。
「健康寿命(元気で自立して生きられる期間)」と「平均寿命」の間にあるこのギャップを縮めることが、現代医療の最大テーマのひとつです。そのカギを握るのが、実は「お口の健康」なのです。
「オーラルフレイル」って何?
「フレイル」とは、加齢によって体や心の機能が低下し、要介護状態になりやすくなった状態のこと。その入り口として注目されているのが 「オーラルフレイル(お口の衰え)」 です。次のようなサインに心当たりはありませんか?
これらのサインは「歳だから仕方ない」と見過ごされがちですが、放っておくと深刻な悪化の連鎖が起きます。
唾液が減る
食べられない
外出が減る
要介護状態へ
お口の機能が落ちると、食べられるものが減り、外食や会話が億劫になり、社会とのつながりが薄れていく——その結果、心身の老化が急加速してしまうのです。
歯周病菌が「アルツハイマー病」に関係している?
多くの方が驚く、最新の研究報告があります。口の中の歯垢(プラーク)1mgには約1億個もの細菌が存在しています。これはトイレの便と同じくらいの細菌数です。
歯周病の原因菌(PG菌)が血流に入り込み、脳の記憶を司る「海馬」にまで到達することが確認されています。この菌がアルツハイマー病の発症や重症化に関与しているという報告が、世界中から相次いでいます。
「歯の病気」と「認知症」はまったく別の話に聞こえるかもしれません。しかし、口腔内の細菌管理が脳の健康とも深くつながっていることが、今やはっきりしてきています。
健康寿命を延ばすために、歯科でできること
厚生労働省も、健康寿命の延伸に向けて「口腔管理の徹底」を強く推進しています。歯科は今や「虫歯・歯周病を治すところ」だけでなく、全身の健康を守る入り口として大きな役割を担っています。
「噛む力が落ちた気がする」「最近歯医者に行っていない」——そんな小さな気になりも、ぜひ一度ご相談ください。虫歯・歯周病の定期検診を通じて、お口の健康を一緒に守っていきましょう。